ファクタリング・請求書カード払い・借入、何がどう違う?
ファクタリングは、売掛金の入金を早める方法。請求書カード払いは、対象となる支払いをカード決済に置き換え、自社から現金が出る時期を動かす方法。借入は、契約で認められた事業資金を借りる方法です。どれも資金繰りに使う選択肢ですが、動くお金も、その後に残る負担も違います。
このページのカード払い比較は、主にクレジットカードの支払日まで現金支出を動かす利用を対象にします。
選ぶ前に、必要なのが「自社の口座に入る現金」なのか、「特定の支払いを済ませること」なのかを分けます。そのうえで、使える条件と利用後の支払いまで比べて、次に詳しく見る方法を決めます。
3つの方法の違いを比較する
| 比較軸 | ファクタリング | 請求書カード払い | 借入 |
|---|---|---|---|
| 主に何を動かすか | 売掛金の入金時期 | 特定の支払いに対して、自社の現金が出る時期 | 事業に使える資金を借りる |
| 資金の届き方 | 債権の買取代金が自社へ入る | サービスが指定先へ振り込む | 融資実行により自社が資金を受け取る |
| 使う前の条件 | 買取対象となる売掛債権と、事業者の審査・契約条件 | 対象となる支払い、対応カード、必要な利用可能額、振込日等 | 商品ごとの申込条件、審査、契約、資金使途等 |
| 費用の中心 | 買取手数料と別途費用 | サービス利用料と、条件によって発生するカード側等の費用 | 利息と契約上発生する費用 |
| 利用後に見ること | 前倒しした売掛金を、将来の入金として重ねて見込まない。回収・送金条件も把握する | カード支払日に、今回の決済分を含めて支払えるか | 既存返済と新しい返済を合わせても資金が回るか |
| 候補を絞る問い | 入金を待てない売掛金があるか | 今回の支払いが対象で、後日のカード支払いを賄えるか | 必要な時期までに借りられる見込みと、返済の見通しがあるか |
各サービス・金融機関の条件は異なります。表は仕組みの比較であり、利用可否・審査結果・個別費用を保証するものではありません。
誰に、いつお金が動くか
ファクタリング
2社間・3社間で回収と送金の流れが異なります。
請求書カード払い
自社が使える現金を受け取る図ではありません。
借入
資金使途・返済条件は商品・契約ごとに異なります。
ファクタリング|将来の入金を前へ動かす
売掛債権を売却して、手数料を差し引いた代金を受け取ります。元の売掛金の回収は契約に沿って行われるため、資金化した金額を、将来もう一度自由に使える入金として数えません。
見るポイント:前倒しの後に残る入金で、次の支払いを賄えるか。
請求書カード払い|支払先への振込と、自社の引落しを分ける
サービスが支払先へ振り込み、自社はカード会社への支払日に決済代金等を支払います。動かすのは主に自社の現金支出日であり、取引先の支払期日を勝手に延期することではありません。
「支払条件を取引先と相談すること」とも仕組みは違います。直接の条件変更を行う場合は相手との合意が前提です。カード払いを使う場合は、支払先への振込日とカード支払日の両方を見ます。
見るポイント:振込が期限に間に合い、カード支払日までに資金を用意できるか。
借入|資金を受け取り、契約に沿って返す
借入では、認められた資金使途の範囲で資金を使い、返済条件に沿って元金と利息等を支払います。利用できる金額・期間・返済方法・審査条件は商品ごとに異なります。
見るポイント:必要額を借りることと、その後に返せることを同時に考える。
費用は「%」ではなく、金額と期間をそろえる
ファクタリングの買取手数料、カード払いの利用料、借入の年利は、計算の対象や期間が同じではありません。数字の大小だけで安さを決めず、今回動かす金額と使う期間に対して、実際にいくら負担するかを見ます。
| 方法 | 金額で見るもの | 一緒に見るもの |
|---|---|---|
| ファクタリング | 債権の額面から差し引かれる費用と、実際の受取額 | 入金をどれだけ前倒しできるか、別途費用、契約後の資金繰り |
| 請求書カード払い | 今回の支払額に対するサービス利用料と追加費用 | 振込日、カード支払日、利用可能額 |
| 借入 | 借入期間・返済予定に対応する利息と契約費用 | 毎回の元金返済額、既存返済、総支払額 |
ここで「費用」は利息・手数料等、「返済」は元金を含む現金支出として区別します。借入の元金返済は手数料ではありません。ただし、将来の現金支出としては必要です。「費用が少ない」と「毎月の支払いが軽い」を同じ意味にしないことが大切です。
必要な日までに間に合うかを確認する
新しく借入を申し込むことと、契約済みの利用枠から借りることは別です。ファクタリングも書類準備・審査・契約があり、カード払いも支払先への振込日が条件になります。方法名だけで、どれが一番早いとは決めません。
比べるのは次の3点です。
自社で今すぐ用意できるもの請求書、必要書類、利用できるカード、契約済みの借入枠など。
これから完了する必要があるもの審査、契約、書類の追加、振込申込みなど。
実際に間に合わせる日自社の口座へ入る日なのか、支払先へ振り込まれる日なのかを分けます。
資金が必要な場面ごとに選択肢を考える
以下は仕組みの違いを考えるための仮定例です。個別サービスの利用可否や審査結果を示すものではありません。
来月の売掛金はあるが、今週、自社の口座に資金が必要
買取対象になる売掛債権があるなら、ファクタリングを候補にできます。受取額と入金時期が合うかに加え、前倒し後の資金繰りも見ます。借入の見込みがある場合は、その条件も同じ必要日で比べます。
支払う請求書があり、入金日とのずれを埋めたい
今回の支払いが対象でカードの利用可能額も足りるなら、請求書カード払いが候補です。支払先への振込が間に合うことと、その後のカード支払いを賄えることを一組で考えます。
売掛金の前倒しだけでは足りず、運転資金が必要
借入を候補にし、資金使途、審査、融資実行時期、返済計画を確認します。借入額だけではなく、既存返済を含めた資金繰りで受け入れられるかを見ます。
何を使っても、次の支払いが苦しくなる
資金の移動だけで解決できるかを見直す場面です。新しい契約を重ねる前に、入出金と固定費・既存返済を整理し、資金繰り全体の相談も候補にします。
見落としやすい違いを、もう一度確かめる
請求書カード払いなら、必ず60日延ばせる?
一律ではありません。サービスの条件とカードの締日・支払日によって、実際に自社の現金支出を動かせる期間は変わります。比較するのは最大表示ではなく、今回の振込日とカード支払日です。
給与などの支出なら、カード払いは使えない?
サービスによって対象が異なります。給与等のカード払いを案内するサービスもあるため、一括りに対象外とはしません。ただし、自社が使える現金を受け取ることと、サービスが特定の支払先へ振り込むことは別です。
「借入ではない」なら、その後の負担もない?
そうではありません。ファクタリングでは買取手数料や契約後の回収・送金、カード払いでは後日のカード支払いが残ります。「借入ではない」という説明だけで、支出や対応がなくなるとは判断しません。