困りごと契約前の確認

ファクタリングの契約前に、何を確認すればいい?

受け取る金額、入金される日、契約後に自社がすること。ファクタリングの契約前には、この3つを説明できる状態にします。申込みや審査に進めても、提示された契約をそのまま受け入れる必要はありません。

ここでは、相手に聞くべき条件と、確認だけで進めず専門家へ相談したい場面を分けます。「怪しいかどうか」を雰囲気で決めるのではなく、金額・日付・責任の分担から契約を見ます。

契約前の確認項目を見る
このページの項目7項目
  1. 01契約前の確認
  2. 02受取額と費用
  3. 03入金と送金
  4. 04通知と負担
  5. 05相談を考えるケース
  6. 06契約前の質問例を見る
  7. 07会社比較・相談先

01契約前に確認する5つのこと

確認することはっきりさせる内容
受取額と費用実際の入金額、差し引かれる費用、別途払う費用
入金予定いつ、どの条件がそろえば入金されるのか
契約後の送金売掛先からの入金を誰が受け取り、誰へ送るのか
売掛先への連絡通知・承諾・連絡が必要になる場面
未回収時の負担売掛先が支払わなかった場合、誰が何を負担するのか

契約前にそろえる三つの数字

ファクタリングの契約書を確認する際は、売掛債権の額面だけでなく、実際の買取代金と、取引後に残る支払い義務を一緒に見てください。申込みの段階で「最短」「手数料◯%」と案内されても、確定条件は見積りと契約内容で確認する必要があります。

  • 売掛債権の額面:どの請求書の、いくらの売掛金を譲渡するのか。
  • 実際の受取額:手数料・追加費用を引いて、いついくら振り込まれるか。
  • 契約後の義務:売掛先から入金された場合、誰にいつ送金し、何が起きたときに利用者の負担が生じるか。

この三つの金額・期限が説明できない場合は、申込みを進める前に条件を確認します。

02実際の入金額と費用の内訳を確認する

見る順序は、売却する債権額、実際に入金される金額、差し引かれる費用、別途支払う費用です。同じ費用を二重に数えないよう、どこで支払うかも分けます。

相手への質問

「今回の契約で、口座に入る金額はいくらですか。差し引かれる費用と、別途支払う費用の内訳も示してください。」

必要額に届くかだけでなく、この取引の後に残る支払いを賄えるかまで見ます。資金化によって今週を乗り切れても、次の入金予定を既に使ってしまうなら、その後の予定も組み直す必要があります。

条件が同じでない見積りは、金額をそろえて比較する

例えば、額面100万円の売掛金について、A社は手数料5%・追加費用なし、B社は手数料4%に加えて諸費用2万円と仮定します。この条件ならA社の手取りは95万円、B社の手取りは94万円です。表示された手数料率だけで選ぶと、実際に受け取る額を見誤ります。

仮の条件A社B社
売掛債権額面1,000,000円1,000,000円
仮の買取手数料50,000円(5%)40,000円(4%)
仮の追加費用0円20,000円
受取額950,000円940,000円

これは架空の比較例であり、実際の会社の料金や相場ではありません。 「別途かかる費用はあるか」「見積りの有効期限はいつまでか」「条件変更の可能性はあるか」を確認し、実額で比較します。

03入金日と、契約後の送金日を確認する

ファクタリング会社から自社へ入る買取代金と、その後の売掛金の回収は、別の資金の動きです。2社間の一般的な説明では売掛先から利用者へ入金され、その後ファクタリング会社へ送金します。3社間では売掛先からファクタリング会社へ直接支払う流れが案内されています。

相手への質問

「買取代金の入金予定日はいつですか。その後、売掛先からの入金は誰が受け取り、自社はいつ、誰へ送金する契約ですか。」

2社間では、売掛先から入金された後の送金が重要になる

2社間ファクタリングでは、売掛先がこれまでどおり利用者の口座へ支払い、利用者がファクタリング会社へ送金する形があります。この場合、売掛先からの入金額を自社の自由なお金と同じように扱ってよいとは限りません。

契約前に「送金期限」「送金先口座」「売掛先の入金が遅れた際の連絡方法」「誤入金・入金額の相違があった場合の処理」を確かめてください。資金繰り表にも、売掛先からの入金とファクタリング会社への送金を別々に記載します。

利用後の送金や支払いで問題が起きている場合はファクタリング利用後の支払い問題へ。ただし、その記事が法的解決や支払猶予を保証するわけではありません。

04「通知しない」「保証不要」で確認を終えない

「取引先へ通知しない」という案内を見るときは、通常の手続きと、入金の遅れなどが起きた場合を分けます。売掛先に通知しない方式でも、取引先へ絶対に連絡が行かないと約束されるわけではありません。通知や承諾の扱いは、利用する契約方式と契約書の条項を確認してください。一社の説明を、他社にも当てはまるルールとしては使いません。

相手への質問

「売掛先への通知や承諾は必要ですか。通常時以外に、連絡・通知を行うのはどのような場合ですか。」

また、売掛先から回収できなかったときの負担と、自社が既に受け取った売掛金を送金することは、同じ問題ではありません。「保証がない」という短い説明だけで、契約後の義務全体がなくなるとは考えず、負担と対応を具体的に読み分けます。

相手への質問

「売掛先が支払わなかった場合と、自社が入金を受けた後の場合で、自社の負担や対応はどう違いますか。」

「取引先へ通知しない」と「絶対に知られない」は別

売掛先に通知せず進める方式があっても、契約の内容、債権譲渡登記、債権の回収・対抗要件、延滞等の事情により、売掛先が関与する条件は変わり得ます。契約時には、どの段階で売掛先への通知や承諾が必要になるかを確認してください。

また「ノンリコース」と書かれていても、その言葉だけで利用者の責任範囲を決めつけないようにします。売掛先が支払えなかった場合の扱い、虚偽・二重譲渡等が判明した場合の責任、買戻しや追加負担の条件を分けて確認してください。金融庁は契約名だけではなく、取引実態に注意するよう案内しています。 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」

05条件によっては、契約を急がず相談する

金融庁は、債権額に比べて買取代金が著しく低い取引や、回収できないときに売主が債権を買い戻す・自己資金で支払う取引などに注意を促しています。契約の名称だけでなく、取引の実態を見る必要があるとしています。

ただし、このページの項目に当てはまっただけで、個別業者や契約を違法と判定することはできません。ここで決めるのは法的な結論ではなく、説明の確認だけで進むか、契約書を専門家に見てもらうかです。

ZAIROでは、次のように整理します。

状態次にすること
金額や日付がまだ分からない契約前に内訳・予定・条件を書面等で求める
説明と契約書の内容が合わないどちらが適用されるのかを明らかにしてから判断する
未回収時の買戻しや自己資金負担が気になる自分で適法性を決めず、契約書面を持って弁護士へ相談する

急いでいる場合でも、受取額や未回収時の負担を後回しにせず確認します。必要な資金の調達と、受け入れてよい契約かの判断は、切り離しません。

何が分からないかで、次の行動を変える
金額・日付が不明相手へ条件を確認する
契約書の意味・負担が不明専門家への相談を検討する
条件は分かったが自社に合わない別の会社・方法を比較する
契約の適法性を自動判定する図ではありません。

06ファクタリング会社に確認する6つの質問

以下は契約前に相手へ聞くための質問です。すべてに答えがあるからといって、安全性や適法性を保証するものではありません。曖昧な項目を減らし、比較・相談に必要な情報をそろえるために使います。

  1. 01今回、口座へ入る金額はいくらですか。差し引かれる費用と、別途払う費用を分けて示してください。
  2. 02何が完了すれば入金されますか。現時点で見込める入金予定日を教えてください。
  3. 03売掛先からの入金を誰が受け取り、自社はいつ、誰へ送金する契約ですか。
  4. 04売掛先への通知・承諾は必要ですか。通常時以外に連絡する条件も教えてください。
  5. 05売掛先から回収できなかった場合、自社が買い戻す、または自己資金で支払う条件はありますか。
  6. 06説明いただいた条件が、契約書のどこに書かれているかを示してください。

6つの質問に加えて確認したいこと

申込み・契約を取り消せる時点と、その際に費用が発生するかも確認します。広告・見積り・契約書で条件が違う場合は、どの条件が適用されるのか、理由も含めて書面で確かめてください。

07会社を比較する・相談先を探す

条件が分かり、自社でも対応できる

必要額と必要日、費用、契約後の対応が見えたら、会社ごとの提示条件を比較します。契約前に確認した内容を、候補選びへ戻して使います。

契約の意味や負担を自分では判断できない

金額の比較ではなく、契約書の解釈や責任の範囲が問題になっている場合です。契約書・見積り・相手からの説明をまとめ、弁護士への相談を検討します。日弁連のひまわりほっとダイヤルには、中小企業向けの相談案内があります。

相談方法、費用、対応範囲は案内先で確認してください。ZAIROが相談受付や受任を行うものではありません。

金融サービス全般の相談先を知りたい

金融庁の金融サービス利用者相談室は、一般的な相談や、論点整理・他機関の紹介などを行う窓口です。個別トラブルのあっせん・仲介・調停を行う窓口ではありません。

条件が合わず、別の方法も考えたい

その会社の契約を受け入れられないことと、資金繰りの選択肢がなくなることは別です。入金前倒しだけでなく、支払い時期の調整や借入も、利用後の負担まで含めて比べます。

契約後の支払いで困っている方へ

このページは新しい契約の前に確認するための内容です。既存契約の送金を自己判断で止めるためには使わず、契約後の問題は実際の書面と経緯をもとに相談してください。

比較で分かることと、契約書でしか分からないこと

会社の比較ページは、掲載会社の特徴や公表条件を見比べる入口です。ただし、利用者の請求書に適用される手数料、契約の責任範囲、振込予定時刻までは確定できません。候補を絞った後は、申込先から示される実際の見積り・契約書で確認してください。

掲載会社の条件を調べる場合は『ファクタリング会社を比較する』、ほかの資金調達方法も検討したい場合は『ほかの資金調達方法を見る』をご覧ください。契約上の責任や請求内容について争いがある場合は、会社比較だけで判断せず、契約書を持って弁護士等に相談してください。

編集
ZAIRO編集部
参考にした情報・出典